先輩の声2024 | 先輩の声 - 名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科学

林祥平（はやししょうへい）

出身大学・入局: 名古屋市立大学・2019年4月
資格: 日本外科学会外科専門医、緩和ケア講習会修了

決して満足せず、飽きることなく、ずっと続けられる仕事

消化器外科は手術のバリエーションが豊富で、上部（胃、食道）、下部（大腸）、肝胆膵と学ぶことも多く、つねにステップアップを実感できる分野です。なかでも大学病院は希少な手術も担うので、経験豊富な上級の先生でさえ「この手術は初めて」ということも少なくありません。それほど手術の種類に限りがなく、どこまでいっても満足できないからこそ、ずっと飽きずに続けられる仕事だと思っています。まさに、一生勉強ですね。
名古屋市立大学消化器外科には、この分野の第一人者が揃っていてレベルが高い。そんな先生たちと同じ手術の場でロボットを動かし、今、どういうことを考えてアプローチしているのか、なぜこうするのか。その場で直接、教えてもらう機会は本当に貴重です。私が勤務している西部医療センターは手術件数が非常に多い病院で、名古屋市立大学附属病院ということもあり、教授や上級医が2週間に１回のペースで指導に来てくれます。若手が学ぶうえでも、とても恵まれた環境です。
上下の隔たりがなく、仲が良いのも医局の魅力の一つです。若手医師は異動の機会が多いのですが、その分、知り合いの先生が増えていくのも楽しいです。上級の先生は指導熱心な方ばかりで、これまで学んできたことを惜しまず伝えようとする熱意が伝わってきます。私も後輩が少しずつ増えてきたので、同じように熱意を伝えていきたいと思っています。
「外科に進みたいけど大変そうだな」と迷っている人にメッセージを贈るとしたら「やりたいことをやろう！」。多少ハードでも、やりたいことなら続けられます。逆に、ラクでもやりたくない仕事をするのは面白くないし、辛いのではないでしょうか。

※2024年2月に取材を行いました。

医局員から見た林さん

澤井より

いつもニコニコしていて、やさしさがお顔ににじみ出ています。私にはない穏やかさを持っていて尊敬します。イヤなことがあってもニコニコ。きっと気持ちの切り替えが上手なのでしょう！
加古より

学生時代からめちゃくちゃいいヤツ。手術もできるし、要領もいい。大学病院で一緒に勤務したときも心強い存在でした。同施設に同期はいらないと思ったけど「いや、必要だ」と考えを改めました（笑）。

加古智弘（かこともひろ）

出身大学・入局: 名古屋市立大学・2019年4月
資格: 日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、米国消化器内視鏡外科学会 FUSE資格取得、緩和ケア講習会修了

早くからロボット支援手術を導入し、最先端の技術を学べる

医学生のとき、部活などで消化器外科の先生と関わる機会があり、皆さんのエネルギッシュで明るい雰囲気に惹かれて入局を決めました。いざ一緒に働いてみると、上級の先生に加えて、若くして優秀な先生も揃っていて、すごい医局だなと。瀧口教授はもちろんのこと、学会などでバンバン顔を出す先生も多く、活躍度からすると、がん症例で圧倒的な数を誇るがんセンターと比べても決して引けを取りません。
早くからロボット支援手術を導入しているので、最先端の技術を学べるのも魅力です。じつは以前は、全国の優れた手術動画をひたすら見まくって上達を目指したのですが、キャパオーバーになるだけと気づきました。勤務先のトヨタ記念病院には、胃がん、大腸がん、それぞれ手術に長けたすばらしい先生がいるので、今は名市大消化器外科とトヨタ記念病院の先生を中心に集中して学んでいます。
私は小学生のときから大学までずっと部活で剣道を続けてきました。道場に入って竹刀を握れば、先輩・後輩の立場は関係なく、勝負あるのみ。そういった潔さは、消化器外科医に共通するものがあります。手術がうまく優れた者は、おのずと前へ進んでいきます。その姿はカッコよく、「自分も負けるものか」といい刺激になります。
将来の道はまだ定まっていません。入局した頃は「下部（大腸）を極めたい！」と考えていましたが、上部（胃、食道）の手術も知るほどに魅力を感じますし、肝胆膵に至ってはまだまだ未知の領域。早くから先のことを決めるのはもったいなく、今はできるだけ多くを経験したいですね。

※2024年2月に取材を行いました。

医局員から見た加古さん

澤井より

コミュニケーション能力が高く、先輩には懐ふか〜く入り込み、後輩にはとっても面倒見のいい兄貴分。両方の顔を持つ、世渡り上手！それが自然体でできることがすばらしいですね。
林より

大学病院で一緒に勤務したとき、時には忙しくて大変なこともありましたが、彼と助け合いながら乗り越えました。お互いを分かり合える大切な仲間。手術に対しては非常にストイックなヤツです。

澤井美里（さわいみさと）

出身大学・入局: 藤田医科大学・2019年4月
資格: 日本外科学会外科専門医、緩和ケア講習会修了、Certificate of daVinci console surgeon

さまざまな環境で成長する機会をいただけるのは医局の魅力

消化器外科はまだまだ男性医局員の多い分野です。女性で他大学出身の私が馴染めるのか不安でしたが、瀧口教授をはじめ、医局員の皆さんが温かく迎え入れてくださり、すぐに不安は消えました。気の合う同期の仲間にも恵まれ、とても充実した日々を送っています。
医師5年目に勤務した刈谷豊田総合病院は、消化器外科医だけで10数名が在籍し、医局のなかで手術数がトップクラスの病院です。私はヘルニア、胆嚢、悪性腫瘍と、多いときは月間30件もの手術を担当し、膵臓がんなど難易度の高い手術も執刀させていただきました。目まぐるしく手術に追われる1年半でしたが、圧倒的な数の経験を積ませていただきました。
医師7年目から勤務している名古屋共立病院は、前職と異なり、消化器外科医は私を含めて２名。治療方針や手術手順の組み立てなど、１つ１つの症例に主体性をもってマネージメントすることを学んでいます。このように、さまざまな環境で成長する機会をいただけるのも医局の魅力ではないでしょうか。
かつて開腹手術が中心だった消化器外科は、立ったまま下向き作業が長時間続き、術野を広げる鈎引き（こうひき）は力も必要で、女性医師には不向きとされました。一方、モニターを見ながら行う腹腔鏡手術、椅子に座って行うロボット支援手術など、主流になりつつある低侵襲手術は患者さんだけでなく、私たち医師にも「低侵襲（負荷が少ない）」となっています。女性患者さんのなかには、担当が女性医師というだけで「ほっ」とされる方も多くいます。私の働き方を見て、女性の後輩が一人でも多く入局してもらえるよう、努力していきます。

※2024年2月に取材を行いました。

医局員から見た澤井さん

林より

とにかく明るくてコミュニケーション能力が高く、みんなの架け橋になってくれる人。同期の一人として、これからも長くつきあっていきたい大切な仲間の一人です。
加古より

人当たりが良くて頭の回転が速い。女性教授が主催する勉強会で、女性医師としての発言を突然求められたとき、「用意していたでしょ」というほど見事な内容でした。頼もしい同期です！

先輩の声（2024年度）